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踏みとどまった思いの行き先
2026/07/01  [PR]
 

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 死ぬときは谷原と一緒がいい。とつぶやいた片岡は、確実に人間くさくなっていた。
 最近姿を見ないと思ったら地上にいたらしい。悪趣味だ、といったら怒られた。人間もなかなか面白いぞ、と言い終わるか終わらないかのところで片岡の右目から涙がこぼれて、あ、と私が声を上げるより先に片岡は私にしがみついてわんわん泣いた。
 バカだバカだと思っていたけど、まさかここまでバカだったとは思わなかった。人間なんてたかが50年で死ぬんだぞ。あっという間すぎる。なにもできずに終わる。
 片岡は私の肩に涙と鼻水を垂れ流しながらいろんなことを言っていた。アイツはバカだ、とか、もっと生きればいいのに、とか、悲しい、とか。長く地上にいすぎたせいで、片岡はその人間に情が移ったようだ。バカすぎる。
 けど、そんなバカでも愛しい存在なので、私は片岡の背中に腕を回し、力いっぱい殴ってやった。

「なにすんの」

 驚いた片岡が顔を上げる。ぐちゃぐちゃの汚い顔で私を見る。その頬に指を滑らし、頭を撫でた。久しぶりに触れる片岡の髪は黒くなっていたし、ふわふわのくせ毛になっていた。誰に影響されたんだか知らないけど、嫉妬しないわけがない。
 バァカ。高くも低くもない片岡の鼻を甘噛みし、眉間にキスをする。たにはらぁ、と情けない声で泣く片岡は、かわいくって仕方がない。


◆◆◇
なんかよくわからんな……。久しぶりに文章書くとひどいな……。がっかり!
こんな名前だけど設定としては異世界っていうのがな……カタカナの名前苦手だからさ……という言い訳。
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 エリーゼは腹が立っていた。それというのも、相方のつまみ食いが発覚したとか(どうりで買い置き肉の消費量が早いと思った)、たまたま出会った富豪の息子からのしつこい求婚だとか、そういうものが理由ではない。
 キレイに紅を塗られた爪でテーブルをはじく。向かい側に座っていた×××が笑う。

「エリーゼ、そんなに怒らないでよ」

 もう何度も言われた言葉だ。薄青の髪を揺らし、×××を見る。前髪の間から×××を映す薄青の瞳は殺気を放っている。怒らないで済むのならそれに越したことはない。
 しかし、そう考えておさまる腹の虫でないことを、幼いころからつきあいのある×××は知っているはずだ。

「まず、その男を氷漬けにしてもいいかしら」

 こめかみを押さえながら顔を上げたエリーゼは、×××の隣に座る男を指差した。
 ×××はまた笑い、男は口の端をわずかに持ち上げた。

「できるものならな」
「エリーゼ、ダメだからね。ついでに君も。そうやってうちのお姫様を挑発するのやめて」

 首を左右に振る×××の顔は相変わらず笑みが浮かんでいるが、先ほどより困っているように見える。
 胸の下で腕を組み、エリーゼは涼しそうな顔をした男を上から下までなめるように見た。
 黒髪、黒目、黒のタートルネックに黒のジャケット、それに加えて黒のズボンに黒の革靴。真っ黒だ。切れ長の目に高い鼻、形のいい唇はゆるい弧を描いている。
 好きな人は好きな顔だろうな、というのが第一印象。エリーゼは「キレイ」な顔立ちより「かわいい」顔立ちの方が好みだ。たとえば、×××のような。

「だいたい、この男が剣士というのを信じろ、というのが無理でしょ?」
「なんで?」
「剣は? 鎧は? 剣士が無防備なかっこうでぶらぶらしてるかしら、ふつう」

 見れば見るだけ腹が立ってくる。話の主役である男は笑ったまま発言をしない。まるでエリーゼの考えがわかっているような顔をして、ただ黙っている。
 気に食わない。
 ×××は隣の男の姿を改めて見て「確かに」と納得をした。


◆◆◇
高飛車ってよくわかんない……
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 致し方ないことだと思った。ポテトを一本つまみ、口に放る。しょっぱ。誰だよ、ポテトに塩まきまくったやつ。
 信一は眉間にしわを寄せ、それからカフェオレを口にする。失敗した失敗した失敗した。
 ストローをかむクセはいつになっても直らない。今日振られた彼女にもしょっちゅう注意されていた。いつから彼女は気持ちの整理を始めていた?
 携帯をいじる女子高生がちらちらとこちらを見てくる。隣の席だから会話が聞こえていたんだろうな。それを友達に伝えているのか。くだらない。くだらないけど、自分だって隣の席で別れ話をしていたら聞き耳を立てて誰かに知らせたくなったはずだ。
 立ち上がり、女子高生を見た。目が合ったら睨まれた。すぐに視線を携帯に戻した女子高生の指の動きが早くなった。怒りたいのはこちらの方だ。


◆◆◇
こういう無自覚な駄目男を片岡さんがやればいいと思ったけど、まだ悪い彼を見たくない。私の夢を壊されたくない><
 現代  cm:0  tb:

 雨が遠慮なしに床に寝転んだ。それを見下ろし、晴が思いっきり顔をしかめる。毎日クラスメイトがローテーションで掃除をしているとはいえ、あまりキレイだとは思えない。
 「本気?」と目で訴えると、雨がピースを作る。「もう少しで晴のパンツ見えそう」言い終わる前に顔の上にペンケースを落とされた。いたーい!と両手で顔をおさえごろごろ転がる雨に興味をなくしたのか、晴はふんと鼻を鳴らし机の上に広げていた図書室の本に目を落とす。
 つい一、二年前にベストセラー作家とうたわれていた著者の作品は、驚くぐらい晴好みではなかった。
「つまんないの」「何がー? あ、その本?」「そう」「だから僕言ったじゃん、面白くないよって」「本当だったからガッカリしてる」
 なんかそれおかしくない? 言いながら、雨が起き上がった。案の定後頭部のふわふわな髪の毛にほこりがついている。
 雨の頭からほこりを払ってやりながら晴がなんで? と尋ねた。頬をふくらました雨はだってさー、と続ける。

「僕の言ったこと信用してないみたいじゃん」
「信用してるからこそ、事実かどうか確かめたの」
「なんだそりゃ」
「だって雨の読解能力が低くて面白くないって言ってんのかどうか、判断しなきゃ」

 ひどーい!晴ひどーい!机をたたいて雨は抗議し、それを晴は聞こえないフリで返した。


◆◇◆
晴(はる)
どちらかというと暗い
雨(あめ)
脳天気

どっちもおにゃのこにして、百合ちっくにするのも面白そうだ
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「ごーこん?」

 弥生があたしの発言を繰り返す。
 あたしはそれにうなずき、弥生から視線をスライドさせて渚を見た。頼み込めば弥生は来てくれるだろうけど、渚はどうかな。合コンのメインは渚のつもりなんだけど。

「バイト先の人にね、頼まれちゃって」
「でも聡子、彼氏さんが」
「あぁ、いいのいいの。ただの飲み会だって思ってくれれば」
「飲み会……」
「渚はこういうの、嫌い?」

 肯定されたらどうしようか。彼女をおだてておだててその気にさせないといけないなぁ。あーめんどくさ。

「ううん、嫌いじゃない」

 わーお。
 予想外に嬉しいお言葉。あたしはにっこり笑い、顔の前で手を合わせた。

「決まりね」

 性格が悪いあたしは、渚の勝負服を見るためにバイト先の人を利用し、弥生を巻き込む。
 誰よりも楽しいのはあたし。すっごく楽しみ。早く王嶋さんに連絡しなきゃなー。ウキウキする。彼はとてもできた人間だろうからあたしなんかよりも渚の相手をしてくれるだろう。
 弥生には今度なんかおごるかな。あー楽しみ楽しみ。今から笑いが止まらないや。



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